「健康長寿のお手本」から学ぶ。健康寿命が長いのはどんな人? 

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長寿大国ニッポンといわれますが、最近は「寿命」(生きられる長さ)と別に「健康寿命」という言葉をよく聞くようになりました。  

ただ生きるのでなく、人生の「質」を大切にしたい、と多くの人が考えるようになったからでしょう。  

どうすれば人生の質QOL)を高めることができるのでしょうか。  
(※QOL :クオリティ・オブ・ライフ(quality of life、)=人生の質のこと)  



そのヒントが、浄土真宗の教えにありました。  
浄土真宗には、高齢でもはつらつと元気な方が多いと言われます。  

一体なぜ。  

最新の医学的研究から、その理由がよく分かりました。  
今日はこのことについてお話ししたいと思います。  


(※写真はイメージです)

トリセツ寿命、焼き肉寿命、恋愛寿命……



日本人平均寿命は、女性が世界一の86・8歳、男性が80・5歳で世界3位(平成26年)。  

しかし、自立して日常生活を送れる「健康寿命」となると、平均寿命より10年短いといわれます。  
年齢が上がるにつれ、体の衰えだけでなく、さまざまなことができなくなる、あるいは面倒になってきます。  

博報堂・生活総合研究所が提言する「生活寿命」は、そんな生活行動上の「寿命」をリストアップしたもの。 
切実すぎて、笑うに笑えないその内容を、いくつかピックアップしてみましょう。


41才5ヵ月 海水浴寿命 海水浴に行こうと思わなくなる  

44才8ヵ月 トリセツ寿命  
取り扱い説明書を読みたくなくなる  

51才4ヵ月 焼き肉寿命 
焼き肉がヘビーに感じて食べたいと思わなくなる  

58才8ヵ月 組み立て寿命 
組み立て式の家具を自分で組み立てる気がしなくなる  

59才1ヵ月 恋愛寿命 
他人に対して、恋愛感情を持てなくなる  

63才8ヵ月 経済紙寿命 
経済に関する新聞・雑誌を読もうとは思わなくなる


(出典:発想ペーパー【生活者】第10号 博報堂生活総合研究所)  

皆さんは、いかがでしょうか。  

知り合いの何人かに聞いてみたら、「まだまだ行けるよ」という人もあれば、「確かにそうかも」と納得する人。  
「私はもっと早く枯れてるわ」と(謙遜して?)おっしゃる方など、いろいろでしたが、昔から「子供叱るな来た道じゃ 年寄り笑うな行く道じゃ」と言われます。  

遅かれ早かれ、すべての人が直面するのが、この「老病死」の問題。

10年後には、日本の認知症患者は700万人に達し、65歳以上の5人に1人の割合といわれます。  
現に今、認知症の家族に振り回され、疲労困憊している方も、たくさんいらっしゃるでしょう。  

認知症の患者は「困った人」ではなく、本当は「困っている人」なのだ、と認知症ケアの専門家は説きます。  

しかも「今日は他人の身、明日は我が身」で、私たちも、いつその「困っている人」の仲間入りをするか分かりません。  
避けられないこの人生行路、どうすれば、老いてなお充実した人生を送ることができるのか。多くの人の最大関心事でしょう。  

92歳で、なぜそんなにお元気なんですか!?



先日、そのヒントを与えてくれる方にお話を伺う機会を得ました。  

それは、浄土真宗の教えを聞き求める石川県の女性Yさん。  

「若い頃は体が弱くてね、40代を越せないと思っていた」  

と言うYさんは、昨年12月に92回目の誕生日を迎え、今も仏法を聞き歩く日々といいます。  

9歳で母と死別したYさんは、子供の頃、1時間も歩いて学校へ通わねばならない自分と、校舎の前に住む友達を比べ、なぜ不平等なのかと運命を呪っていました。 
体が弱く母がいない私と、健康で両親健在の友。不運の理由が分からず、体より心がつらかったといいます。  

そんなYさんに、よく寺参りをしていた父は、「わが身に起こることは、みな自分がまいたタネ」と教えてくれました。  

その後、農家に嫁ぎ、2人の子供を育てながらの重労働は、心身ともに苦しいものでした。十分に働けない身を責め、子供と一緒に死ねたら……と思うこともありました。  

しかし「逃げず恨まず、自分のまいたタネと思って拾うてゆけ(刈り取りなさい)」という父の言葉に支えられ、頂いた命を精一杯生きよう、と思い直したのでした。  

そんな40代の半ば、Yさんは自らも浄土真宗の教えを聞くようになります。そこには「なぜ生きる」という「人生の目的」が明らかに説かれていました。  

この目的、達成するまでは死ねない」  

Yさんに、強い思いが芽生えました。  

仏法を聞くほどに、命の大事さが知らされ、体に無理がかからぬように注意を払い、好き嫌いなく食べるように努めるようになりました。 
姑が病に倒れた時も、高い薬を使ってでも治してほしいと医師にすがったこともありました。 
そんなYさんを、家族は快く聞法(もんぽう:仏法を聞くこと)に行かせてくれたといいます。  

その頃から農業は機械化が進み、力仕事から解放されるようになり、仏法が聞ける時間が生まれ、心身が生き返ったようになったのです。  

人生の目的に向かえば、道が開かれる」と、喜びと感謝あふれるYさん。  

「お金も体も、人生の目的のために使わなければもったいない」と力強く光に向かっていらっしゃいます。  

ターミナルケアの専門医も絶賛「健康長寿のお手本」



このYさんのお話を、知人のターミナルケアの専門医に紹介したところ、「まさに健康長寿のお手本のようです」と絶賛されました。  

若い頃、体が弱かったYさんでしたが、長距離の通学や農作業で足腰の鍛錬をされ、さらに仏法を聞いて、生きる目的がハッキリして、体調や食事に注意を払うようになりました。  
家族思いの言動によって家族からも応援を得て、心身ともに健やかに。  
目的がハッキリしていると、つらくても頑張らなければと、力が湧いてきます。

その医師によると、ガンの患者さんは、大きく分けて3とおりに分かれるそうです。



1、強い意志をもって、積極的に治療に取り組む人。  

2、自分でできることはないと、あまり考えようとせず、淡々と生きる人。  

3、希望を無くし、投げやりになる人。  

そして、長生きされるのは1の方が多く、3の人が短命の傾向が強くなるといいます。  

目的の有無で大きな差が表れるということです。  

例えば、子供の成人式や結婚式の晴れ姿を見るまでは死ねないなどの目標や生きがいがあると、体にとてもよい影響を及ぼすことが分かっているとか。  

浄土真宗には、生きる目的、命の重さが教えられていますから、さらによい結果となるのでしょう。

しかもYさんは、多くの人に仏法を聞いてもらいたいと車に乗せて出掛けるため、何と60歳を過ぎてから運転免許を取得されたそうです。  

他人を喜ばせ、幸せにする活動は、旅行や美食で自分が満足するよりも、各段に喜びや充実感が大きく、健康によいことも科学的に分かっています。

まさに、健康長寿の秘訣を全て、知らず知らず実行されていたYさん。  

人生の目的を果たすまでは死ねない」。  

これが、92歳を超えられてもお元気な、いちばんの秘密だったのです。


人生の目的を持つ人は、寿命や健康寿命が長い傾向がある



最近、米国と日本で行われた調査でも、人生で目的意識や生きがいをもつ人は、寿命と健康寿命が長い傾向があることが、明らかになったそうです。  



その調査によると、人生で高い目的意識をもっている人は、そうでない人に比べ死亡率が17%減少し、心血管イベントが17%減少することが明らかになりました。

「高齢者にとってメンタルヘルスは重要です。今回の研究では、”人生に目的をもっている”といった心理的要因が、高齢者の脳の健康に大きな影響力をもつことが確かめられました」と研究者は述べています。  

目的の力』(ヴィクター・J ストレッチャー著)という本には、他にも様々な研究で、人生の目的がよい効果をもたらすと書かれています。その内容をピックアップしてみると…… 



・心臓発作を起こすリスクが27%下がる 

・脳卒中のリスクが22パーセント下がる  

・人生の目的がある人は、心理的、社交的な面でうまくやれている  

・よく眠れる  

・うつになることも少ない  

・よりリラックスできている  

・生きる目的は、ウイルスやがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞の増加と関係がある  

・ノーベル医学・生理学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーンの研究によると、テロメアといわれるものが短くなると病気になりやすいが、人生の目的が強固だと、テロメアは短くなりにくいという研究結果を発表した。


『目的の力 幸せに死ぬための「生き甲斐」の科学』 ヴィクター・J ストレッチャー (著), 松本 剛史 (翻訳) 出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン


……など。  

心が前向きになれば、身体にもよい影響を与えることは疑う余地がありません。人生の質(QOL)を高めるベストな方法は「人生の目的」を持つことだ、と深く納得しました。 





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