「ポスト真実」の時代に「まこと」とは

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昨年の流行語大賞は「神ってる」でしたが、英米で権威のあるオックスフォード辞書が、最も注目を浴びた英語として選んだのは、「post-truth(ポスト真実)」でした。  



The volumes of the Oxford Dictionary of National Biography. Author The original uploader was Mgoutsidou at Greek Wikipedia  

「真実は何か」「事実はどうか」など、どうでもよくなり、人々が、自分の感情にあうこと、都合の良いこと、信じたいことを信じるようになった時代を表す言葉といわれます。  

新聞社やテレビ局などマスコミは、事実関係を丁寧に調べ、信用できるニュースを届けるのが仕事ですが、ネットの世界には、根拠に乏しい「ウソ」や、わざと流された「デマ」が氾濫しています。 
そして多くの人は、ネットに書いてある記事が事実であろうと、なかろうと、「いいね」と思いさえすれば、どんどん広めていきます。  

◆ 「事実」より「偽ニュース」が広まっている?


いまやネットの世界は、ウソが平然とまかりとおり、きちんと調べ上げられた「事実」よりも、悪意のある人間が流した「偽ニュース」のほうが、はるかに速いスピードで広がっていくのです。 

 事実を積みあげて、論理的に書いたり話したりしたところで、人々が「真実なんかどうでもよい」と思っていれば、何の役にも立ちません。 

トランプ大統領の当選の原動力となったと言われる、顧問のケリーアン・コンウェイ氏は、「あなたたちは嘘を伝えた」と批判されたときに、「嘘」ではなく「代替的な事実(alternative facts)」を伝えたのだと反論して、記者たちをあきれさせました。早くも今年の流行語は、この「代替的な事実」ではないかと、ささやかれています。 


(ケリーアン・コンウェイ氏)  
Gage Skidmore (Kellyanne Conway speaking at CPAC 2016 in National Harbor, Maryland.)  

このまま大衆が、感情に流されたら大変だということで、ネットにある情報から、「真実」だけを取り出す「真実検索エンジン」の研究も進められていますが、早くも行き詰まっています。  

それは、「何が事実か」は、時代により、国によって、異なるからです。千年前は「地球は平ら」であり、「地球の周りを太陽が回っている」が「事実」だったのです。現在、「事実」とされていることでも、この先、どう変わっていくか、わかりません。  

◆800年前に見抜かれていた「そらごと」「たわごと」


ますます「真実」はどこにあるか、わからなくなってしまいました。 
しかし親鸞聖人は、すでに八百年前に、この現状を予見され、人間世界の全てのことは、「そらごと」「たわごと」だと断言されています。 
有名な古典『歎異抄(たんにしょう)』の、あとがきに、こう記されています。 




煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は、万のこと皆もってそらごと・たわごと・真実あることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」(『歎異抄』)


(意訳) 火宅のような不安な世界に住む、煩悩にまみれた人間の総ては、そらごと、たわごとであり、まことは一つもない。ただ弥陀の本願念仏のみがまことなのだ。


仏教で「真実」とは、いつの時代も、どこの国でも変わらないものをいいます。 古今東西、変わらないものだけを「真実」といいます。

そんな時空を超えた「真実」などあるのだろうか、と思われるでしょうが、親鸞聖人は、ただ一つ「まこと」がありますよ、と教えられたのが「ただ念仏のみぞまことにておわします」なのです。 古今東西の全人類を、本当の幸福にする「阿弥陀仏の本願」だけが「真実」なのだよ、と親鸞聖人は教えられています。この真実の仏法にこそ、世界平和の基礎があると思わずにおれません。  

「そらごと・たわごと」しか知らない「煩悩具足(煩悩100%)」の私たちに、阿弥陀仏の救いを明らかにされ、弥陀一仏に向かいなさい(一向専念無量寿仏)と、真の方角を指し示されたのが親鸞聖人でありました。



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